5日目 Hay-On-Wye => Kington ; 目次に戻る :
次の日
このホテルのレストランは、この村では、有名なレストランの一つらしい。値段も高そう。朝食は良かった。毎日、朝と夕の2食だけが、まともな食事である。そういえば、昨夜は、結構、皆さわいでいた。
朝食後、街を散歩する。昨日の夕方は足の裏が痛かったが、少しは良くなった。やっぱり、変な街だ、ここは。
筋肉が痛いとなかなかキビキビと動けない。旅行カバンに荷物をパックし終わったら、もう9時半だった。今日は、いよいよ、Hargest Ridgeを越える日だけど、昨日までのBlack mountainで、もうおなかが一杯という気分。
Offa's Dykeの標識は良く目に付くが、昨日と打って変わって人が全くいない。Offa's Dykeの中でも、あそこだけ一泊2日で歩く人が多いんだ。昨日はリュックを背負った人は30人くらいは見た気がする。
そして、山道に入る。歩き始めたら足の痛みは気にならない。
この最初の登りは、落葉松の林の中。日がさえぎられて薄暗い道だけど、羊の糞が全く無い奇跡のような道。
この道は本当に、いろんな所を通っている。
お昼過ぎPUBで休憩する。まともな休憩や食事をとらずに歩きっぱなしだった。
玄関前のテーブル席でリュックを背負った歩行者を見る。金髪の若い男女。ヨーと挨拶し、BARに入る。
BARには、ニーナ・シモンがかかっている。食欲は無いので、スパークリング・ウォータとサイダーを注文。山歩きの途中にアルコールを飲むのは初めて。まだHargest Ridgeが控えているというのに。イギリスの山歩きは日本の山歩きとは違う楽しみ方がある。ここの男子トイレの落書きに、「女子アルバイトを募集中。料理が出来て、掃除が出来て、きれい好きで、週末も働ける人。ただし、車とボートを持ってる事が条件。希望者は、車とボートの写真をここに送れ。」ここは、Gradestryという村。
そして、Hargest Reidgeにとりかかる。登り口は、閉まっていたドアをあけて入り込む、という薄暗い雰囲気なんだけど、登って行くにつけて視界が広く広がる変な感じ。あまり登りを意識することなく、上のなだらかなところに出る。イギリスのこのへんの山は登りの勾配はゆるくてとても楽だ。なんだかしらないが、馬をつれた一団や、物見遊山の一団、ご家族ずれなどがポタポタと歩いている。やっぱりイギリス人は歩くことが好きな人種なんだ。頂上付近には変か木が植えてあった。
Hargest Ridgeを降りて、Kingtonの街に向かうところにゲートがあった。ああ、ここだな、Borrowed Timeの中に出てきたのは。
なぜか、感動が全く無かった。近くにベンツも停まっていなかったし。1枚だけ写真を撮ってあっさりと進む。すぐ下に感じの良さそうなガーデン・カフェの案内があるが、この格好じゃあな、という気もして、まっすぐ歩く。
そして、あっさりとKingtonの街に到着。Swan Hotelには17:00に着いた。全くトラブルの無い歩行だった。なのに、ホテルに着いたら、まだ私の荷物が届いていない。そこで、私のパンフを見せて、前の宿に電話してタクシーで運んでもらった。運賃はホテルの人が払った。その間、1時間弱、着替えもできずに、ジトーッと部屋で待っていた。このホテルはなんだか薄汚い。ただ一つ良い点は、Readers Digestの全集がそろっている事。懐かしい、読みやすい本が一杯。Tom McCnabの"Franagan's Run"があった。着替えて、街を一歩きした後も、汚い部屋ではあったけど、ずーっと、とっかえひっかえ本を読んでいた。