第四日目 Tyndrum => Inveroran , Beinn Dorain (1076m) ; 目次に戻る :
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Tyndrumの宿は、Invervey hotel。昨日の夕方着いた時にはテラスにビールを飲む人達があふれていて、普通の夏のバカンスのホテルのようだった。スコットランドも同じだと思ったくらいだ。だけど今朝はうす曇りで雨が来そうな感じ。今日はBeinn Dorainへ行くんだと昨日決心したので、朝食は朝一番でとった。ホテルの1階のバフェ形式。速攻で食事を終えて紅茶を沸かしてボトルに詰めていざ出発。チェックアウトをしていると、食事に向かうリーズの男とまたばったり会った。彼もこのホテルに居るとは気づかなかった。結局彼とはこれが最後になった。
ホテルを出発08:05。100mも歩かない内に雨が降って来た。林道の入り口で雨具を着ける。まあ今日は長ズボンで完全装備だから大丈夫だろう。確かにスコットランドは雨が多いというのを実感している。前方に見えるBeinn Dorainも上の方は曇っている。この日の歩きは山すそを等高線状に歩く道。晴れていれば散策に絶好の道だろうが、無心で歩き続けてBridge of Ohchyに到着10:25。雨は途中で止んで晴れたり曇ったりという天気だ。Beinn Dorainへの分岐点でしばし休憩。道はしっかりしてそうだ。上の方は雲っているけどGo!この歩き出しの時が不安な感じで勇気がいる。今日はこの先他の人は来ないだろうから慎重に行こう。小雨のパラつく中を進んでゆくと、ちょうどテントをたたんでいる若井男女2人組を見かけた。タフな連中だなぁと感心する。時々振り返るけど誰もついて来ない。まずは鞍部(744m)をめざす。1時間ほど登って鞍部の下にたどり着いて休憩。途中には水浸しの野原を渡ったりと靴はドロドロだ。この先の登りもかなり険しそう。
鞍部までの登り道は岩がゴロゴロで浮石も多い。20分ほど登ってコルにたどり着いた。ここは744m。風が強いけど、ここから先の道は普通の縦走路のようだ。コルにはケルンがあった。それを風除けにしてしばし休憩。Beinn an Dothaidhへ行く道も見える。雨もパラついて来たというか、雲の中に近づいているようで、雨具を上下とも実に着ける。歩きにくいけど、道はしっかりしているので先へ進む。ここからは高山を歩いている雰囲気になる。
相変わらず人は見かけないけれど、なんとか頂上に着けそうだと思ったせいか、ふと気づくと道が違っているようだ。尾根道を歩いていたはずなのに、Beinn Dorainの西斜面を歩く道に入ってしまった。雲の下に出てしまったようで、下の方にWHWが見える。これはまずいと引き返す。かなり戻って本来の尾根道に入る事ができた。30分くらい時間をロスした。後で思ったが、あの斜面の道も頂上に向かっていたのではないかという気もするが細かい地図が無いのでわからない。いつか余裕が出たら調べて見よう。
Tyndrumでもらった紙には、頂上の前に偽のピーク(そこにはケルンまである)に注意とあった。確かにこれは知らない人だと頂上と思い込んでしまう。実際のピークはそこから少し下ってから少し登ったところにあった。その2つのケルンび写真が以下です。頂上に着いたのは12:55だった。結局Bridge of Orchyから2時間半もかかってしまった。頂上はガスがかかっていて視界ゼロなので、すぐに引き返す。驚いたことに雨の尾根道で女性の単独登山客とすれ違った。30代くらいのガッシリした人で完全装備だ。初めて人と会ってうれしかったので、偽ピークの話をした。彼女のずっと後で3人組(男一人女二人)の登山客とすれ違った。ちょうど私が道を間違えて尾根道から外れるところ近くだったので、その話を紹介した。結局この山ですれ違ったのは、この4名だけ。
山の下りにも2時間かかって、麓のホテルのPUBに着いたのは14:50だった。外はすっかり明るく暖かくなっていた。
そこで注文したのが、下の写真のランチセット+キュロットケーキ。Bestも1パイント飲んでしまった。このホテルでは川沿いのベランダでビールを飲んでくつろぐバカンス客が多い。この時間はPUBの中に人も殆どいない。食べ終わって出ようとする時に、ヘルメットにレーサパンツの黒人の女性サイクリストが入って来た。歩く人がいれば、自転車の人もいるんだ。
Bridge of OrchyからInveroranまでは、酔った体にも楽な山道。晴れて天気も良く、正面に大きな山を見ながら歩く。この山をトラバースするBlack Mount hill - Clatchlet Ridgeとして紹介されているが上級者向けで険しそうだ。
Inveroranは湖の近くの小さな村。村というか、ホテルやB&Bが点在するだけの所だ。ホテルなんだけどB&Bみたいだ。ホテルにはちょうど17:00に着いた。チェックインする時に、おおあなたは日本から来たのね。私の娘が今大阪に住んでいるのよ。大阪ってどんな所と聞かれて困った。大阪は良く知っているけど、どう言っていいものかちょっと困った。
ホテルなのに部屋にはトイレがなかった。シングル・ルームはこんなものか。早速濡れたものを乾かす。部屋にはMidgeに注意。夜は窓を閉めて。とある。なるほどこれは大変だ。
18:00になり何か食べたいと思ったが1階のレストランはなんとなく入りづらい雰囲気なので、Climber's BARに行った。一人だけ大学教授風のご老人がビールを飲んでいる。僕もビールを注文し目で挨拶すると、いろいろ話が始まった。Scotlandという言葉には人を引き付けるパワーがあると思うんだ、スコッチウィスキーやキルトも連想するし、と私が言うと、ウルムチで見つかった800年前のミイラにはスコットランド・キルトが使われていたという。なんと、シルクロードはそんなモノまで運んでいたのか。そのお爺さんはお婆さんが夕食に迎えに来たので出て行った。近くのキャンプ場の少年たちも来てがやがやし始めたので、部屋に戻って、スコッチウィスキーとビケットとリンゴで夕食とした。