第一日目 Sedberry Cliff ==> Redbrook ; 目次に戻る :
次の日
B&Bの朝食は、明るいorangery、一人でもったいない。田舎なのに豪華。伝統的なブリティッシュ・ブレックファスト。昨日のThistle Heathrowよりおいしい。コーヒーを何杯も飲んだ。マダムがランチを準備しようかと言ってくれたが、ビスケットを持ってるからいい、と伝えた。後で少し後悔。代わりに紙パックのオレンジ・ジュースをくれた。
朝食後、マスターが車で、Sedberry Cliffまで車で送ってくれる。ベラを獣医のところに連れて行くとので、マダムとベラも乗りこむ。車の中で、いろいろ話しをする。何故、Offa's Dykeを歩こうとしているの?とか。
彼らは親身に私のことをかまってくれているので、これはこれでとてもありがたい。マダムは1度、ChepstowからRedbrookまで歩いた事があるらしい。マスターはマッチョマンで俺が歩くのは、PUBまでだ、とのこと。この車内でのおしゃべりはとても役にたった。ここの林の中には危険な動物は全くいないらしい。日本だとbushにはヘビが結構いるし、猪もたまにいるので気が抜けない。
Sedberryに到着。雑木林の途中で降ろしてくれる。ここから崖まで行って、そして、また戻って来て、向こうに行くんだよ。Enjoy!ということで突然に始まってしまった。朝の9時30分。
ごそごそと林の中に入って行くがさっそく道に迷う。崖ではなく畑の中に入りこんでしまった。おかしいと引き返して、ああ、このkissing gateに入るんだな。これが道か?全然歩いている人がいないではないか。時々犬の散歩の人達とすれちがって挨拶をする。なんか、私一人ウォーキング・ブーツで浮いているみたい。とにかく人がいない。良く犬に吠えられる。
崖に到着。ああ、Severn川に、昨日渡って来た橋も見える。Offa's DykeのStart/Finishを示す石もある。崖の下に下りてみる。崖の下の河原は、馬糞だらけである、しかし、兎にも角にも人がいない。なんとなく騙されているような気分。まあ、いいか。天気も良いことだし、地図の上での位置も明確になったし、夕食のビールを楽しみに歩こう。
崖まではほんの10分くらいの歩きだったけど、イギリスでは雉打ちには困らなさそうと安心。(笑)
崖からの戻りを、ちょっと違う道を歩いてみようとしたら、早速、道に迷い、どこかの牧場に迷い込んでしまって、棘のある雑草で足に切り傷が一杯出来てしまった。イギリスの道はなかなか侮れないぞ。そして、そこからが難業苦行の始まりだった。
Offa's Dykeの標識は要所要所にはあるので、地図を見ながら歩けば、なんとかなる。しかし、このコースは本当に節操がなく、いろんなところを巡っている。こんな所を歩いていいのか?油断しているとすぐ道に迷う。
歩き始めて30分で郊外に出た。なだらかな斜面を歩きながら、ここからChepstowの街を振りかえった。気分が良い。そのうちに巨大な邸宅が見えて来た。思い起こせば、この辺が、この1日めの一番楽しいところだったかもしれない。
Wye川に沿った山道を歩く。ところどころで、パラパラ人を見かけるがすれちがう人はいない。それに、コースがとてもわかりにくい。もらったガイドブックには、この場所に注意とわざわざ1日目のWye川沿いの道にしおりがはさんであったが、間違えやすい場所はあちこちにある。地図の縮尺が今一つ、わからなくて、戸惑う。これは、まるでサバイバル・ウォークだ。
歩き続けて、なんとか一つのエリアを歩き終えたな、と感じたところで分岐点に出た。ちょうど2時だ。ゆっくり腰をおろしてビスケットを食べる。なんだか疲れている。地図では、この斜面を降りきればちょうど中間点というところだ。すぐに道に迷うので、片時も地図を手放せない。この先、川沿いのコースと、丘の中のコースに道が分かれるのだが、あの丘を間違えずに通りぬけることが出きるとはとても思えない。これは川沿いに歩こう。
川沿いの道は歩きやすい。これまでの遅れを一気に挽回する。散歩している人達と時々すれちがう。どこから歩いて来たのと聞かれて、Chepstowからだよというと、あんな遠くからと驚かれる。えっ、とこっちが驚いてしまう。この辺はTinttern Abbeyからの散策コースなのか。
この快調な川沿いコースで問題発生。なんと行く手に牛の群れがどんといる。側を通りすぎても大丈夫なのか?恐る恐る、側をとおりぬける。ああ、なんてところだ。
快適な川沿いのコースも終わり、突然、車道を歩くことになる。車が怖い、危ない。確かにこんなコースは人に勧められない。
もう時間は4時ちかい。ちょうど、自然公園(Wood land Trust)の入り口にベンチとテーブルが置いてある。ああ、ここで休憩しよう。ちょうど散歩に来た人にカメラのシャッターを押してもらう。
あと、4,5キロでB&Bに着くと地図の上ではわかっているが、だんだん外も薄暗くなって来て、さらに、林の中の展望の全く無い道を歩いていると、だんだん気分が落ち込んでいってしまう。そして道に迷ってしまった。Offa's Dyke Pathとは違う林道をひたすら歩くことにした。ようやく、Redbrookの村にたどりついた。村が足元に見えているのになかなかたどり着かない。顔面ピアスのヤンキー娘に道を教えてもらい、PUBの後ろに降りることができた。B&Bに着いたのは、夕方5時50分。マダムと話をする。とにかく疲れ果てた。シャワーを浴びてPUBが開くまで、横になる。
UKのウォーキングがこんなにハードなものだとは想像もしていなかった。日本で体力作りの準備をしていて本当に助かった。
この日は、PUBのレストランではなく、BARに座る。結構混んでいる。ラムチョップ(赤ワインソース)を食べた。ポテトとニンジンがたくさん付いている。地元のビター(Wye Valley Bitter 3.7%)と別なビール(Pich Fork 4.3%)を1パイントずつ飲む。歩行中、殆ど水分を取っていなかったので、酔いが回るのが早い。ラムチョップがおいしい。何故イギリス人はミントソースなんかかけるのだろう。普通に食べればずっとおいしいのに。しめて10.3GBP。これは安い。ますます、イギリスのPUBが気にいった。このPUBのマスターは若い頃のミックジャガーに似ている。彼が愛想よくThank youという。
部屋に戻って、いろいろ、地図の説明書を読んでいるうちに、この地図(OSグリッド)は一つの桝目が1km四方を示していることを、ようやく理解した。メルカトール図法ではなく、GPSを利用している地図なんだ。それがわかったので、初めて地図をまともに読めるようになった。日本
に居るときからちゃんと説明文を読むべきだったと反省。
明日のコースは朝一に、車道を300mくらい歩くのがとても不安だ。外は夜9時でも薄明るい感じ。