今日のコースには、やたら馬がいる。昨日は、牛の群れのために、迂回することになったし、馬にはどう対応すれば良いのか?なんだか馬が羊飼いの役目をしているような。馬はさすがに走ると速い。うーん、どうしよう。
このblack mountainは高度はせいぜい数百m、やっぱり丘か。近所の人が犬を連れて朝の散歩をしている。高度が上がるに連れて回りが見えてくる。
しかし、この風景はなんだ。成田から飛び立つときに見る千葉のゴルフ場の風景に似ている。産業革命・農業革命による囲いこみ(enclosure)は、日本のゴルフ場開発のバブルに似ている、ということか。ここも昔は林があったんだろうな。フランスの北部・ベルギーあたりもなだらかな丘陵地帯だった。だから人の手で開発しやすかったんだろう。イングランドは大部分こんな感じだから、国土の利用効率はとても高い。それに較べると日本は人が住んでいるエリアが限られている。国土が険しすぎるのだろうか。なーんて事を考えてしまった。
しかし、なだらかな山道だな。ようやく、リュックを背負った人達とすれちがった。なんだか、彼らも、久しぶりに人に出会ったような感じだ。
この尾根道も羊の糞だらけ。シートを広げて横になろう、という気になれない。
なぜか尾根道にも、馬がいる。彼らは全然動かない。しょうがないので、尾根の斜面のブッシュを通って迂回する。ブッシュの中には羊がいて、驚いて飛び出して来たり。なんだかなぁ。あのヨチヨチ歩きの日本の雷鳥が懐かしい。
イギリスだなと思うのは、標識が、どれも味がある。これは、Llanthony方面への案内。羊の糞だらけで、座るところが無いので、この標識の石の上に座っていたら、後から来た人が変な顔をして通りすぎていった。もうしわけない。
尾根道の途中に、石がたくさん積み上げられている場所を見つけた。羊糞が奇跡的に無い場所。ここで昼食にする。Old Rectory のマダムが作ってくれたランチパックは2ポンドだった。このOffa's Dyke south pathでは、この日が一番まともなランチだった。今日は歩行距離が短くて、遅くても3時くらいには着いてしまうので、じっくり味わって食べた。
さて、ここから、いったん尾根道を降りて、今日の宿へ向かう。尾根道からいったん降りて宿泊し、次の日また戻って来るのはもったいなぁと思っていたけれど、初めてのUKなので、まあこれも良かったかなと思う。
やっと宿にたどりついた。途中で道に迷って、Long townの村まで降りてしまった、また、そこからこのコテージまで上がって来た。B&Bは4時からなんだけど、開けてもらってお茶を飲む。Mrs.Prechardの娘さんが入れてくれた。3時過ぎで未だ陽の高い昼過ぎに中庭のベンチで紅茶を飲むなんて贅沢だ。谷の向こうに、先ほど迷い込んだLong town の村や古いお城の廃墟が見える。なかなか幸せな気分。
もともと3日目は休息日なのだ。部屋で本を読みふけってPlay to the endを最後まで読んでしまった。窓からは、このB&Bのマスターが羊にえさをやっているのが見える。ここの夕食は恐ろしくシンプルである。サーモンに、ジャガイモと人参とカリフラワーの茹でたもの。例によってサイダーを飲む。もう一人、ランブラーズ・クラブの宿泊客がいるのだけれど、夕食は別なところに行っているようだ。