2日目 コタキナバル => キナバル山の山小屋(3300m)             ; 目次に戻る : 次の日

山登り初日:
朝5時に起き食事を済ませて荷物を3つにわける。
・自分の山歩きのリュック(約6,7kg)
・ポータさんにあずけるリュック(約4kg)
・ホテルに預けておく旅行カバン(重たい)
前の晩に準備をする中で忘れ物に気づいた。タオルとACアダプタだ。タオルはホテルで15リンギで買った。ACアダプタはホテルで借りて申し訳ないが暫く借りる事にした。ホテルの部屋にはSabah Teaのテーパックが置いてあったので、お湯を沸かして水筒に詰める。
6時半にホテルのロビーで山歩きの格好で待っていると、現地の旅行会社の人がやってきた。30才くらいの山小屋でみかけそうな感じの女性で日本語が上手なジンさん。運転手さんはマレ−人。ここから、山のふもとまで2時間くらいのドライブだという。冬の成田から熱帯の街に来て、涼しい山裾に向かう。体が変になりそう。なんとでも対応できるような山歩きの格好をしているんだけどやっぱり大変だ。

キナバル山 道路はかなりきれい。車は多いけど、みんなかなりの安全運転、これなら大丈夫かなと安心してうつらうつら。そのうちにだんだん高度が上がってキナバル山が見えるところまで上がって来た。暫し写真撮影の休憩をとった。山の麓に点在するカラクンドソンの村も見える。ハイビスカスの花も咲いている。そして、8時過ぎに、Park Head Quaterに到着。ここは標高1564m。

Park_Head_Quater
さあ、これから登ろうという人達がうろうろしている。ざっと見た感じでは、日本人はいなさそう。日本人ぽい人は多いんだけど。入山証とお弁当を受け取る。どうやらポータさんは付かないようで、ガイドさんがポータさん用の荷物(4kg)を持ってくれるようだ。ガイドさんはサァフレイさんという若い人だった。なんとこの人は、今年の山岳マラソンで3位に入ったという人だ。出発ゲートは、車で2,3分のところ。記念撮影をして、いざ出発。8:50分。

キナバル山の登山地図 ; なんという簡単な地図だろうか。

山道にはあまり人は見かけない。赤道近くのジャングルだけど、まあ普通の道だ。ただ、もらった地図はとても簡単なもので全然アップダウンがわからない。まあ、しょうがない。地図にあるとおり、適度な間隔で休憩所(トイレ有)があるので、そこで休憩しながら歩くのが良い、とサファレイさんのアドバイス。登って行く内に雨が降ってきた。小雨なので雨具は付けないでそのまま歩く。休憩所でハァハァ言いながら休んでいると、回りの人がアメをくれたりする。日本でも3000m級の山はもう10年以上登っていないので出発前はとても不安だったけれど、この山を登る人達は、僕の目にも素人さんが多いように見える。これなら心配する事ないか。
そのうちに降りてくる人達ともすれちがう。合計すれば100人くらいはすれちがったかもしれない。登山客は5,6割はマレーシア。1,2割が欧米系(オーストラリア・イギリス・ニュージーランド等)の人、残りがシンガポール・韓国の人。その他に、ブルネイ・カナダの人にも会った。この初日にすれちがった中には日本人は一人だけだった。彼がいうには、昨日頂上に向かったメンバーでは、日本人は彼だけだったらしい。こちらは、ハァハァ言いながら登っている最中で余裕がなかったけど、ああ同朋がいて良かった。

歩き始めの道 ウツボカズラ 雨の中に上の方が見えて来た


山小屋から上を見る お弁当を食べる それでも、12時過ぎには、ラバンラタの山小屋(標高3273m)に到着、3時間15分で1400mを登った事になる。こんなに登ったのは久しぶりだ。山小屋へのチェックインは1時からなので、食堂で朝もらったお弁当を食べる。そうしているうちに晴れて来た。

1時になって、さあ、部屋に入ろうと思ったら、サァフレイさんはこのラバンラタに泊まるけど、私の部屋は、この上の山小屋(グンティン・ラガタン)とのことで、キーをもらって、あずけた荷物(4kg)を持って60m上の小屋まで歩く。小屋に着いたらすっかり良い天気。お湯を沸かして、サバティーを入れる。山小屋の水は、なんだかどんよりしている。とても不安だけど、沸かしたお湯でお茶を入れる分にはOKみたいだった。部屋は日当たりの良い4人部屋。2段ベッドが2個入っている。なんだかユースホステルみたい。さっそく着替えをして濡れた服を乾かす。

2段ベッド キッチン シャワーもある


横になっていると、そのうちに、どんどん人がやってきた。欧米系は、女性客も多い。彼らはぬるいシャワーを浴びて元気な連中だ。夕食の時間までは、ずーっと本を読んでいた。Scott Turowの”Ordinary Heros”。小型辞書も持ってきて正解だった。時間はあきるほどあるし、天気は良いし、山小屋の人達は、みな楽しそう。この山小屋は、男女関係なく割り振っているようで、最初、私の寝ている所に、ニュージーランド人のカップルが入って来て話をしたが、彼らは大人数の団体らしく、私が寝ていると着替えが出来ないので別の部屋に移っていってしまった。そうか、少し配慮してあげれば良かった。この山小屋はなんだか、とてもインターナショナルな雰囲気。中国人もマレー人も皆英語が上手だと感心する。
この山小屋(グンティン・ラガタン)は標高3323m、小屋の前には10000feetと書いてある。

グンティン・ラガタン小屋の前でくつろぐ人達 グンティン・ラガタン小屋からみたラバンラタ小屋 山小屋は雲の上


夕食の時に、サファレイさんにあって、明日の予定を相談する。普通は2時3時に起きて出発するとのこと。なんでそんなに早く出発するのかと聞くと、日の出を見るため、日の出は何時だと聞くと、6時頃とのこと。頂上までは後700mくらいだから2時間あれば大丈夫だろう、ということで、4時出発にする。朝ご飯は頂上から戻って来てからが良いとのこと。しかし、なんで皆こんな暗い中を歩くのだろうと今でも不思議だ。4000mの山頂で直射日光を浴びるとすぐ日焼けするから、と説明する人もいるが、よくわからない。私の旅行プランでは、この山小屋に連泊なので、そんなに急ぐことはないのだ。ラバンラタの小屋の夕食時には夕焼けがとてもきれいだった。大勢の人がテラスに出て写真を撮っていた。 部屋に戻ると、結局、私の部屋は3人になっていた。一人は、欧米人12人を引き連れたマレー系カナダ人の男、もう一人はシンガポールから来た中国人。皆、明日は、3時に出発するという。まあいいや、私は遅く出発しよう。

ラバンラタ小屋から見た夕日 ラバンラタ小屋からグンティン・ラガタン小屋を見る