このB&Bのマダムはとても陽気な人。オウムがいて、肩に乗せて歩いていたりする。きっと若いときはサラ・マイルズのような茶目っ気のある美人だったろうな魅力的な人。他に客がいなくてもうしわけないわねぇ、と言うけれど、部屋にはTVもポットも無いけれど、疲れた体には、バスタブがあるだけで十分だった。
睡眠十分、体力十分で目覚めたけれど、今日のコースは、一番の楽勝コース。きっと、あっという間に終わってしまうだろう。遅く出ようと思ったけれど、マダムが孫を幼稚園に連れていくのでということでつられて9時頃に出発。
村を出るとすぐ上り坂になる。この道は結構人が歩いている。峠に着くまでに3,4人は見かけた。ただ、皆が皆Grasmereを目指しているわけでは無さそうで、前方にいた人が突然右折して、別の山の方に歩き出したり、と、この山岳地域の山歩きを楽しんでいる人もいる。
暑さと朝のコーヒーのおかげで汗びっしょりになったが、それでも11:00ころには峠の上に着いてしまった。この先、山道を通って行くつもりだけど、かなり早く着きそうだ。B&Bには16:00過ぎにつく約束なので、時間つぶしをしないといけないかも。今日の道は昨日に較べると低いのでやはり羊糞は多い。道もなんとなく薄汚れている感じでイマイチな感じ、などと贅沢な感想。
それでもゆっくりつくりと休憩を取りながら、尾根道を降りて行くと、Grassmereの湖が見えて来た。こういうところで昼食を取るのも良いなぁなどと思えるようなところだ。実際に、ハイキングに来ているような人達が、結構岩の間にいたりして、突然出会って驚いたり。彼らはGrassmereに泊まっていてハイキングがてらに、この尾根道に着たのだろう。実際に、湖や村を見下ろすには絶好のポイントだ。
とはいえ、やはり15:00前に村に到着してしまった。この村は、なんとなく昔の野辺山か清里のような感じの村。結構人も多い。学校の生徒が集団で歩いていたり、ご老人達が歩いていたり。フラフラと引き寄せられるようにアウトドアショップの中に入って、半ズボンと半ソデTシャツを買った。まさか5月のC2Cで半ズボンが必要になるとは思っていなかったんだ。試着室で半ズボンに履き替えて、この村に溶け込んだ気がする。お店の前の広場に座って道行く人を眺めていると、お店の人が走って出てきて、「君、これ忘れたでしょう?」と僕のガイドブックを渡してくれた。お金を払う時にカウンターに置いたまま出てきてしまったんだ。ああ、親切な人がいて助かった。少し、この村が気に入った。小さい村なんだけど、観光客の中にはスノッビーな連中もチラホラという感じは軽井沢風かも。メインストリートも無く、4つ角にお店が集まっているだけの小さな村なんだ。
ちょうどこの山歩き中は、"Darwin Conspiracy"を読んでいて、これがかなり面白くて、DarwinのGrassmereの別荘も娘の記憶に出て来たり、少しは気になっている場所なんだ。でも、晴れていて良かった。
広場に座っているのにも飽きて、宿に向かう。まだ16:00前だったけど、すんなり迎えてくれた。
全く疲れていない山歩きだったけど、明日が大勝負なんだから、きょうはぐっすり休もう。
少し早めにPUBに行く。宿から道路沿いの歩道のなだらかな道を300mくらい歩いたところのTravelaer's Lodgeというところだ。羊の肩肉のワイン煮込みが美味しそうな気がして、それを注文する。ビールはやはり飲まずにはいられないので、ギネス。どっさりパンが来て、ギネスを2パイントも飲むと、お腹が一杯になってしまった。このPUBはレジのカウンターがあって、そこでお会計というシステムらしいので、そのレジに行くと、なんと初日にDent Hillの上であった、マイケル・ジョンソン、ご一行の3名とバッタリ。お互いにオーオー、じゃ、明日はPatterDaleで飲もうぜ、とか。同じ道を歩く同志という感じの連帯感が良かった。
宿に戻って、シャワーを浴びて寝ようとしたが、お湯の調整が出来ない。熱湯か水だ、困ったもんだ。まぁGrasmereでは旅行客はその宿に2泊する人しか予約を受け付けない、とかいうルールがあるようで、この宿は例外的にシングル・ウォーカーには便利な宿だろうから、まぁしょうがないか。