第一日目 Tuatapere => Okaka hut ； 目次に戻る ：
次の日
さぁ初日だ、気分良く目が覚めて朝食を取る。まあまあの天気だ。やっぱり巨大なソーセージは苦手だなぁと思いながら目玉焼きを食べる。迎えの車を待つ。来たのは普通のライトバンだ。運転手は半分酔っ払ったようなおじさん。まいったなぁと思いながら助手席に座ると、その辺のモーテルやロッジで他の客を拾って車は合計４人。後ろの座席には、それぞれ個人で参加した白人女性客と南欧風の白人男性。なんだか不思議な組み合わせだ。途中でヘリポート（Rarakau Carpark）に寄って荷物を渡す。中に入れておいた半ダースのハイネケン１個が割れてしまった。まぁしょうがない。
このヘリポートから歩き始める人達もいるけど、もっと先のTrack Burnまで車に乗せてもらう。その道路がとんでも無い状態で巨大な水溜りがあちこちにある。帰りはここを歩くのかぁ。途中の海辺ではイルカが泳ぐのが見える。とても素朴なところだ。そしてついに到着。さあ歩きだ。
他の人はどうするのかなぁと見ていると、皆ゲイターを付けはじめた。ああそうかと取り出して私もつける。南欧風の男のゲイターは巨大なゴム製のもの。ニュージーランドではそんなものが必要なのかと思ったが、結局この日は天気も良く不要で、私は途中で取り外した。とても天気が良い。途中海辺に下りる道を見つけて海岸に出てみた。海に手を入れるととても暖かい。25℃くらいはありそう。ああ泳ぎたいなという気になったが山登りの前ではきつい。
この山道の景色は日本風だけど樹木が大きくて屋久島に似ている。Queenstownで見たRemarkablesの風景や、フィヨルドランドという言葉とは隔たりが大きい風景だ。まあ、これもニュージーランドなんだな、ということでせっせと歩き出す。
昨日事務所でもらた地図は５万分の一くらいの簡単なものだけど等高線も書いたあり貴重なモノだ。Okaka hutは標高800ｍ付近。700m付近にはStag pointというところがある。その辺が昼食休憩場所かなと想像しながら歩く。そして突然樹林帯を抜け出して視界が広くなったところが下の真ん中の写真。そこがちょうどStag pointの下だった。そこでビスケットを食べながらしばし休憩。休憩中に、例の南欧風の男が追い越して行く。天気も良いし快適な歩きだ。
稜線に出ると、木道が続いている。細かい針金も付いていて滑らないので歩き易い。例の南欧男は木道に荷物を置いてカメラを抱えて何かを追っているので、先へ進むと、そこにOkaka Hutがあった。14:40に到着。Hutの管理人の若い男(Timさん)が、僕が一番乗りだ、えらく早く着いたねと驚いている。ざざっとHutを案内してもらうが台所の設備が豪華で驚く。私が予約した個室もまあまあ。ヘリが運んだ荷物も届いていた。外が暗くなって来そうなので、雨が来ない内にピークへ行くことにした。ピークはそこから30分くらいのところ。木道のベンチに腰掛けてリュックに入れてきたハイネケンを飲む。うーん、なかなかよい気分だ。
ここは900ｍ近いので回りの山も良く見える。本当にアチコチに魅力的な山が見える。それらは殆どが道も無い名も無き山なのかもしれない。日本やイギリスとは事情が違うのだろうか、と、遠くの山を眺めながら考えた。ニュージーランドにも登山家という存在はある。ヒラリー卿は有名だし、新聞でも著名な登山家の誰々が南島のどこそこで事故でなくなったという記事も出ていたけど、人口が違いすぎて、付近に牧場も人里もないので、山道は整備されていないのだろう。自然はそのままに、という考えかもしれない。確かに、このHump ridge truckだって、上に山小屋が無ければ人は上がって来ないだろう。
夕食は各自が自炊するというスタイルだ。シチューの缶詰を開けようとしたが缶きりが見つからない、wadenのTimさんに聞いて驚いた。アイスピックに丸い輪が付いているような変な道具だ。たたいて缶に穴を開けてそして手で引っ張るというモノで、デリケートな日本人には考えられないほど野蛮だ。
シチューとパスタとリンゴの夕食を終えて、Timさんが今から明日のためのミーティングをします、といろいろ話を始めた。なんだか適当な話だ。このミーティングの途中に、鳥が一羽ベランダにやって来た。時々ドアや窓ガラスをたたく。Kia(キーア)という鳥だ。なんだかここに住み着いているような感じだけど、wadenはエサをやらないでと注意する。
こんな感じでOkaka_hutの夜は過ぎて行った。外は雨。