第一日目  Edale => Torside ( Padfield )                   ; 目次に戻る : 次の日

 B&Bの朝食はオーランジェリーの快適な静けさの中。昨日のオヤジさんの若い息子、大学生くらいだろうか、と挨拶をする。はるばる日本からこんな田舎の山歩きに来た変人と思っているに違いないが、ちゃんと挨拶してくれる。普通の伝統的なブリティッシュ・ブレックファストがおいしい。(ただ、これが毎日続くとベーコンやソーセージが重たく感じられてくる)。 9時にBrigantesが迎えに来た。中年夫婦が乗用車を運転して来た。ここはファミリー・ビジネスのようだ
彼らの車でEdaleまで運んでもらう。どうやらBrigantesでは本日スタートは私一人だけらしい。ホームページを見て、スタートする日は限定されていると思ったんだけど、という話をすると、そんなことはない、いつでも、どこからでも始めているよ、とのこと。広告には力を入れず口コミで広がっているようだ。

The_old_Nags_headの前で 歩き出しの道 歩行者の集団

Edaleの街に入ると、いかにも山歩きの格好の集団があちこちにいる。ここは格好のベースキャンプのようだ。丁度バンクホリデーを含む3連休の初日なので、こんなに人が多いらしい。彼らはPennine wayのバリエーションを1日か2日で楽しんでいるようだ。日本との違いは、若い人が多いこと。このコースだけの特徴かもしれない。

やがて、Jacob's ladderに到着。石畳の登り坂だ。この階段を歩き始めて、このコースにはとても多くの人達が歩いている事に気づいて驚く。私のスタートがやや遅めだったので、9時頃に出発したいろんな集団に追いついたようだ。中にはここをマウンテンバイクで駆け上がる無謀なサイクリスト集団など、大勢いる。私は荷が軽いので彼らをスイスイ追い抜いて登って行く。 丘の上に出ると、なだらから雑草地帯で、どれが本物の道なのかとてもわかりにくい。天気が歩いときは道に迷ってしまうだろう。歩いている人は多いけど、皆それぞれ行き先は別なので、私と同じPennine wayを歩く人は意外と少なそうである。周回コースで麓に戻ってゆく人達が多いので、地図とコンパスを頼りに方角を確認する それでも、天気が良いので、最初の目標地点のKindelowには無地到着。下の白い道標の写真である。

Jacobs_ladderの登り口 登り坂からの風景 Kinderlowの頂上


Kinderlowから先は丘の上の道。稜線というほどの尾根道ではなく。広い丘の上の道。やはり週末なので、人が多い。やはりイギリスでは山歩きは国民的な娯楽なんだろう。Kinder downfall(下の写真)の回りでは群れる人達が多い。ここもOffa's DykeのHey Bluffと同様に地元のいわゆる一つの隠れた名所なんだろうけど柵も立て札も何も無い。結構危ないんだけど、こういう放任主義・自己責任主義もなかなかよい。途中で時々インド系の人達との連れ違うので、やはりこのコースは有名なんだろう。Mill Hillへ登る手前は鞍部になっていて、東のSnake Innへ行く人達と、西のKinder Reservoirに行く人達が去って行くところ。ここを過ぎるととたんに人がいなくなった。やはり週末walkerが多いんだ。

Kinder_downfall Mill_hillから振り返る Snake_Innへの別れ道


Mill Hillからは、だらだらとなだらかな草原地帯が続く。そしてA57に出た。今朝BrigantesのMikeが、「もし体調が悪かったら、ここで電話しろ、迎えに行くから」、と言ってくれた場所であるが、何の問題もなく通り過ぎる。この道は荒野の中の道だ。時折チラホラと見える歩行者達が心のささえになる。
Pennine wayが出来た当初は、この石畳は無かったというから、きっと雨の日は地獄のような歩きだったろうと思う。

なだらかな草原地帯 遠くに見える別の丘 A57


適度に休憩を取りながら歩く。時々出くわすPennine wayの標識を見るとホッとする。ようやくBleaklowが見えて来た。この辺を歩いている人達はさすがに健脚揃いのようで、皆しっかりした装備をしている。
Bleaklow Headでは休憩をとらずに北西に曲がる。そしてなだらかな下り坂が始まる。なんだか崖の上に出る。谷と言うのか、峡谷というのか、その川沿いに延々と下る。今日の宿に戻るためには、どこかで西に向かわないといけないのだけど、そんな道も見えず(実は獣道のような分かれ道があったけれど、登りの藪ごきのようで、あっさりパスした)、川沿いにズンズンと進む。そのうちに目の前に見える湖はTorside Resdervoirだと気づく。ああ、ここまで来てしまったのかと思ったが1日の工程が終了した事でホッとした。Torsideについたのは16:00だった。
実は、この日は、ここから宿までが長かった。

Pennine_wayの標識 Bleak_low 歩いて来た道を振り返る


地図を見るとTorsideの村へ降りる手前を西に山肌を等高線に沿って小道がある。ああ、これを歩けばPad fieldの村へは近道だよな、と、また丘に戻って、その小道を歩き始めたが、整備されていない道を歩くのは苦しい、これはたまらない、と下の道(B6105)を横断して麓まで降りるが、私有地の牧場から抜け出る道がわからない。とはいえB6105沿いに歩くのはイヤだ。牧場のなかをうろうろするうちにようやく抜け道を見つけて村の道路に出た。その後も小川に沿った道から崖を登って村の車道に出たりと、いろいろ歩き回って、ようやくPad fieldの村に着いたのは18:00だった。とりあえず天気が良くて助かった。

下の写真はPUB(PeelsArm)のBarで食べた夕食。久しぶりのビターはおいしかった。イギリスのローカルビールはアルコール度が高くなくて、私にはとっても合っている。至福の時だ。

Torside_Reservoir ようやく村の小路へ出た PUBでの夕食