第三日目  Standedge => Hebden Bridge                ; 目次に戻る : 次の日

 Rock farmの朝の食堂では、若いがっしりしたイギリス人の男と一緒になる。昨晩、僕がPUBから戻って来た時に到着した男だった。彼は船乗りで陸の上の長い休みの時には良く歩いているらしい。スペインも何度も行っていて3年かかってスペイン語を覚えたらしい。テントを担いで歩いているけど昨晩は雨の中疲れてしまってここに泊まったとのこと。そこで、あれっと思い、ひょっとしてTorside Reservoirの堤防の上で会わなかったっけ? おお、なんという偶然、彼だったんだ。彼は、きょうも長いからと先に出発して行った。
その彼には、巨大な電波塔の前で追いついた。

Rock_Farmよさらば 最初の丘 巨大な電波塔

そして高速道路M62を横切るんだけど、この陸橋が高い。歩いて渡るのが結構怖い。そしてBlack Stone Edgeの道標に到着。この日は雨もなく、とても順調だ。

M62が見えて来た この陸橋は怖い Black_Stone_Edge

その丘を越えると、ちょうどA635の峠の茶屋のようなサービスエリアのようなところがあり、いよいよ湖畔の道が始まる。貯水地沿いの道には人も多い。バンクホリデーの月曜日だからだろうか。堤防沿いの道は快適なんだけど、その内に湿地帯になる。靴がどろだらけになる。だけど、このコースを走っている人達がいるんだから対したもんだ。それも何人も。

この湿地帯を歩くうちに遠くに大きな塔が見えてくる。Stadly Pike_Stoodley Pikeだ。なんかの記念碑らしいがとても巨大で良い目印になる。

峠の茶屋White_house 湿地帯 遠くに塔が見える

この塔に向けて走っている人達もいる。下の写真の男女もそう。なかなか過激な連中だ。

実はこの塔は登れる。証明が無いので階段は真っ暗(文字通り真っ暗)で、壁に手を触れながら上ってゆくと上のテラスに着く。ここでホッと人休み。塔の回りで寝転がっている人達もいる。イギリスは自然だなあと思う。

走る二人 塔が近づいてきた 塔

この塔を過ぎてひたすら歩くと、やがて丘を下って、Hebden Bridgeからの道路を横断する。地図を良く見ると、今日の宿まではもうひと登りあるようだ。ここの登りはまるで人の家の裏庭を横切るような雰囲気。でも坂が急でしんどい。

街に近づいた 川を越える 宿に到着

到着した宿はB&Bだけど、なんとなく日本のペンションのようなところ。部屋は屋根裏の小さい部屋だけど、とても快適。他の客も皆、Pennine way walkerらしいけど、未だ到着していないとのこと。僕が一番乗り。ここから、街までは遠いしと思っていると夕食が出るらしいとのことで私の夕食も一緒にお願いする。チキンのキャセロール。ダイニングルームはこじんまりした部屋でテーブルを囲んで7人が顔を合わせる。日本のペンションに一人で泊まるような気恥ずかしさを想像していたけど全くの杞憂だった。結果的に、イギリスでの山歩き中の夕食では一番平和な心温まる夕食だった。イギリスの夫婦2組。東北イングランドからきている。そして南アフリカから来た女性2人組み。この南ア女性が華やかな人達だった。ひとしきりしゃべりまくって、にぎやかで楽しい夕食だった。彼女達はボーア人なんだな。だから英語は第二外国語なので、とてもわかり易い。Pennine wayを歩いて来て良かったと思える夜だった。