2日目 Upper Caples hut => Lake Mackenzie hut             ; 目次に戻る : 次の日

 目が覚めると外は雨が止んで晴れの模様だ。9時間近くも寝て6時に起きて朝食の準備をする。でも他の連中は未だ寝ている。スープと缶詰を空けてアルファ米の朝食。紅茶を作って魔法瓶の水筒につめる。8時になったら出発しようと思い時間があるのでまたシュラフにもぐってくつろぐ。かなり明るくなったのでカメラを持って外に出る。散歩を終えて出発しようと戻って来ると、アラスカの男がでかけるところだった。彼は近くのクリークを歩くという。8時になって出発すると、ちょうどフランス人ファミリーが食事中だった。

Hutの回りの山 Upper_Caples_hut 歩き出しの道

今日は先が長いんだと自分に言いきかせて、かなりゆっくり歩く。ただ15kgの荷物は重い。天気は良いけど足元はぬかるんでいる走れば滑って転んでしまう感じ。ゲイターは必須だ。オレンジ色の三角形のフダが貼ってあるから方向はわかるが良く見失う。そのために、10mほど引き換えしてまた前を向いて道を探すということを、4,5回は繰り返す。傾斜はそんなに厳しくないが、小川をいくつか越えないといけないのが辛い。ジャンプしたり、丸木の幹の上を歩いたり、なかなか気を抜けない。

歩き始めて1時間半くらいで、幅5mくらいの小川を超えることになる。あぁなんたること。代わりの靴下を持っているので、靴を脱いで靴下で渡る。そして、向こう岸で靴下を履きかえる。後で考えたら、ハダシでも良かったのではと思った。サンダルも持っていたし。

そして、林の中を抜歩くうちに、とんでもない急勾配になる。なんとか踏ん張ってそこを登りきると突然に視界が開けて、大きな岩の高台に出た。おぉ、素晴らしい景色だ。横に小さな池もある。ここで、休憩だ。下の写真は、その急勾配の坂と登りきったところ。ここに着いたのが11時半くらい。Upper Caples Hutからは5,6kmのところで標高差は500mだけど、ゆっくり歩いたせいか、かなり時間がかかってしまった。

急勾配の坂 坂の上からの景色 坂の上の高台で

ここで休んでいると、なんと、あのフランス人一行が下から登って来た。父親と子供のほうで、母親と娘は未だ下のほうにいるようだ。私が出かけるときには食事していた連中だ。それにしてもこいつらは強いなぁ。彼らも登り終えた達成感と最高の景色の満足感でニコニコしている。よくよく話を聞くと、彼らは昨日もここを通ったらしい。そして今日またDivedeに戻るんだとのこと。こんな所を往復するなんて、なんて精神的にタフな連中なんだろうとあきれてしまう。

快適な道 快適な道 快適な道

彼らに別れを告げて先を急ぐ。この高原地帯はとても気持ちの良いところだ。天気も景色も良い。私の過去3回のニュージーランドウォークの中で一番の場所だった。それが上の写真。標高は950mくらいのところだ。でもこの気持ちの良い地域も30分で終わってしまい。Mackeller saddle (ここはサドルというほどのものではなくて通路に看板が出ているだけ)を過ぎると、今度は逆に林の中の急勾配だ。

Mckeller_saddle 降り口 降って来た山を振り返る

Mckeller saddleからの降り道も、登りと良く似た道だ。直ぐに標識を見失ってしまう。そこで、下から登って来る5,6人のグループと会った。なんだか下の方は巨大な池になっているらしい。でも、皆濡れていないので、避けて通れるらしい、左側を行け、とのこと。降って行くと湖が見えてくる。そして湖に沿って北に向かいながら湿地帯に出る。この湿地帯の先に道があるんだろうなと思いながら右側にコースを取ると、これが橋なのかなんなのか、木が倒れていて、その幹の上を歩いて向こう側にわたる事ができた。その辺をウロウロ歩き回って、なんとか踏み固められた道を見つけてホッと一息。休憩を取った。本当に天気が良くて助かった。雨だったら、直ぐに道に迷いそうな所だ。上の右の写真は、そこから下ってきた山を振り返った写真です。

そして橋を渡って、ようやくGreenstone trackとの合流地点に到着だ。1時をかなり過ぎている。Caples trackは思いのほかきつかった。

橋 景色 合流地点

ようやくメインのウォーキングルートに入ったので、後は楽勝だと思ったのが、実は甘かった。コースな傾斜も無い普通の道なんだけど、体がかなり疲れているようだった。自分でもつかれているなぁという気はあったけど天気も良いし、まわりにウォーカーも増えてきて甘くみてしまったようだ。Howden Hutを通りすぎたのが2時半ころで、あぁこれなら5時前には着けるだろうと考えていたが、実はHowden HutからLake Mackenzie Hutまでの3時間は、疲労困憊であった。

Howden_hutへの道 Howden_hut 滝

後から思えば、Howden Hutで30分くらい休憩すれば良かったんだ。歩いている途中で水筒の紅茶もなくなってしまい、お今朝の小屋で汲んだ水を沸かしてお茶を作って水筒に詰め替える。通りすぎる人たちが、不思議そうな顔をしているが自分では必死だった。現地の生水を飲むのは危険という気持ちがあったせいだが、それは杞憂だった。

途中で滝の下を通ったが、楽しむ余裕も無くて迂回路を歩く。そいてようやくLake Mackenzie Hutが見えて来た。これで助かった、という気がした。そして小屋にたどり着くと、どうやら、そこは団体宿泊客(Guided walkの人達か?、日本人もチラホラいる)の宿で、個人客のロッジは、この先100mと書いてある。この100mがとてつもなく長かった。そして、ようやくLake Mackenzie Hutにたどり着いた。小屋の前の男に、最後の100mが一番きつかったよ、というと笑っていた。ちょうど5時半だった。

Routebarn_track Lake_Mackenzie_Hut Lake_Mackenzie_Hut

小屋に入って、真っ先にスープを作った。うまい、けど、重たい。お湯を沸かしてさらに飲む。その内、面倒になってきて、小屋の水をそのまま飲む。うまい、結局、お腹を壊すことも無く、ニュージーランドの水はうまかった。夕食を食べる時もカレーをご飯を食べるとなんだか履きそうな気がして、インスタントの蟹雑炊を作ったが、これがまずくて全部トイレに捨ててしまった。ワカメスープとパンを食べながら、ああトマトスープが飲みたいと思っていた。

チケットミーティングの後でWadenに今日はUpper Caples Hutから来たと言ったら彼は相当驚いていた。確かに、この小屋にいる人たちは、皆くつろいで余裕を持って歩いている人たちばかりのようだった。明日は2時までにShelterに着かないといけないので7時に出発しよう。泥のように眠った。

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