Blue Mountains 1日目 Narrow Neck track => Rouined Castle => Mt.Solitary => Furber steps    ; 目次に戻る : 次の日

8時の朝食は、イギリス風。ぶよぶよソーセージやコーヒーの淹れ方まで同じだ。

実は初日は、かなり欲張って歩く計画をたてた。Narrow Neck trackを少し歩いてから、Ruined Castleに向かって、谷底をつたってエコーポイントを戻ってくるコースだ。25,6kmと思うけれど、天気が良さそうだから大丈夫だろう。食事を済ませて8時半にホテルを出る。駅前に行って、ランチ用のサンドイッチを買って、タクシーに乗る。

Narrow Neck trackのゲートまでお願いする。このおじさん(60過ぎ)は気さくな人で、いろんな事を教えてくれた。
・ユーカラの木はガム・ツリーと呼ばれていてその葉がユークリプト。その成分で空が青く見える。
・Ruined Castleは、あそこに見える岩だけど、遠くから見るとお城みたいだから、そう呼ばれている。
・日本人の映画監督がこの辺でロケをしていた。
などなど。
そして、ゲートの前で車を止めて、ユーカラの葉っぱをちぎって、これがユークリプトの匂いだよ、と教えてくれた。なんだかチューインガムにありそうな香りだ。

Narrow Neck trackは、ただの林道だ。その先の山道に入る人たちにとっては、そのアプローチになるけれど、私は単に火の見やぐらまで往復14kmを歩くだけなので単に体力を消費しただけかもしれない。歩き出したのは9時15分ころ。遠くの景色を見ながら、ああこれがオーストラリアなのかと肌で理解する。ワイルドな国だ。道は車は入り込めないところなので安心だけど、ただの林道で、歩いている人はあまりいない。だけどユーカラの林(原生林)の中で、時々ユーカラの匂いも感じながら歩く。

林道 風景 ユーカラの林



Fire towerの下で水を飲んで、帰り道を歩き出す。ジップオフパンツの下のジッパーを外して半ズボン姿になる。時々、崖に近づいて下をのぞきこむ。屋久島の太鼓岩みたいな景観だ。

林道風景 林道風景 Fire_tower



マウンテンバイクの人が結構多い。その中に男女3人組(一人の白人男性と2人の若い女性、白人とアジア系)となんども出くわす。彼らは10km先の道の終点まで行ってきたのだろう。私が往復で戻って来て、Golden Stairsを下ろうとしているところで、彼らは自転車を引きながら、降りようとしている。おい本当かと思うが、先にゆく。アジア系の女の子は結構かわいい。彼らは大学生か高校生仲間かもしれない。最初は家族だろうと思っていた。ビッグダディとバイシクル・ガールズ。

オーストラリアは鳥が多い、そしてうるさい。結構大きい鳥もいる。

鳥 マウンテンバイク Golden_stairs入口



Golden Stairsは普通の山道だ。地図を見てわかったけれど、崖の下の谷へ降りる道というのは多くない。崖の上が約標高1000mで、下の道が750mくらいだから、結構な標高差だ。Golden stairsを下ると山道に出る。完全な谷底ではないけれど、斜面に道が続いている感じ、とても蒸し暑い。早く上に戻りたい気持ちである。Ruined Castleへの道は、ジャングルの中の散歩道という感じで、歩いている人も多いけど、皆、Tシャツ短パンで、私の様にウォーキングブーツにリュックという人は少ない。皆、水だけ持って食事の合間の散歩という感じだ。でも、Narrow Neckよりははるかに人も多く何となく安心な気がする。

Golden_stairs 登り道 Ruined_castleの上で



そのうちに、Ruined Castleへの登り口に着く。大きなリュックを背負った男が横になってはぁはぁ言っている。よくわからないシチュエーションだけど、挨拶して、先に登ってゆく。15分くらいで頂上ちかくに着くと、そこに普段着の中年女性が座って休んでいる。ここが、Ruined Castleですか?と聞くと、この辺じゃない?って適当に地面を指差す。それは違うでしょう、と、「私は、この道の終点まで行ってみます」、「何があるか後で教えてね」。

その先に大きな石があった。その石の上でサンドイッチを食べて紅茶を飲んでいると、さっきの自転車野郎が下に現れた。「そこから、Ruined Castleが見えるかい?」と、とんちんかんな事を聞いてくる。「違うよ、この石がCastleなんだよ、遠くから見ると、Fortのように見えるんだよ」と教えてあげる。バイシクル・ガールズも現れて、「へぇ、そうなんだ」と驚いている。なんで皆知らないのだろう。彼らの自転車は結局Golden Stairsの入口に置いてきたらしい。

Rounied Castleの入り口に戻って来ると、2時ころで、さぁ戻ろうかなと思ったけれど、その先の、Mount Solitaryまで3.4kmという表示があり、そそられる。そこで休んでいた2人の若いカップルに、こっちがMount Solitary だよね?行ったことある?と聞く。昔行ったことあるよ、上の方はスクランブルでちょっと大変だけど。時間は2時ちょっと過ぎ。天気も良いし、エイッ、と歩き出す。

道はしっかりしている。歩き出して5分。左側の茂みのなかで、ヒュルヒュルヒューと変な音がする。鳥や虫の声が一瞬で静まる。なんだなんだ、と思っていると、巨大なトカゲが茂みから現れて木の幹をゆっくり登り始める。私の場所から5mのところである。口先から舌をちょろちょろ出すときに、さっきの唸り声をあげるようだ。うーん、オーストラリアは凄いところだ。このまま、この道を歩き続けていいんだろうか。その場で暫く立ち止まってしまう。すると、ちょうどさっきの二人連れが後ろに現れて、彼らに教えると、彼らはへぇって感じであまり驚かない。あまり危険なモノじゃ無さそうということで歩き出す。

大トカゲ 大トカゲ 大トカゲ



Mount Solitaryは結構な山である。登っている途中でバテて来る。おかしい、と思ったけれど。この日は気温が高く、谷底は結構湿度もあって、かなり体に応えていたようだ。なんとか3時ころに頂上らしいところにたどり着いて絶景を堪能して引き返す。その後、地図を見て分かったんだけど、これはどうやらニセピークっだったらしい。少し先に山らしいのが見えていたけど、体がいう事を聞かないので、そこで引き返す。下はその途中の写真。

Mt.Solitary Mt.Solitary Mt.Solitary



初日は、そこからが長かった。Golden Stairsの下を通り過ぎて、ちょうど5時過ぎに、Scenic railwayの駅に着いた。途中で道を間違えて崖を直登する危険な道に迷いこんだり、むき出しの崖斜面を横切ったりしながら、Scenick Railwayの駅に近づくに連れ人の声がにぎやかに聞こえてくる。山道にはRailwayの最終は16:50だから遅れないように、という看板がいくつも架かっていたけれど、彼らはケーブルカーでやってきた観光客だった。あぁ、これに乗れば崖の上に行けると思ったけれど、乗り場が大渋滞。あきらめて。Furber Stepsを登ることにする。このころには体力も尽き果てて、以前にInternetでfurber stepsのトンデモナイ危険な写真(きっと昔の写真なんだろう)が頭の片隅にあって、今の状態で登れるんだろうか、とかなり弱気になっていた。ちょうど、その辺を見回りしていた係員に、Furber stepsて安全なんですか?と聞くと、お前、松明は持っているか、と聞かれる。苦笑いしてジョークに気づいたけれど、全然安全なところのようだ。実際歩き始めると、とんでもない年配の人なども歩いている。なんとか40分くらいで上に着いた。上の公園のベンチで横になって休憩。

Furber_steps Furber_steps Furber_steps



今日は異国での初日だったので、リュックには600ccの水2本と、500ccの魔法瓶に温かい紅茶を入れていたのだが最後の公園での休憩ですべて空っぽになっていた。
Katoombaの街の方にトボトボ歩き出す。かなり近づいて来たなぁと思っていると、前から歩いてきた、オジサンが、私に声をかけてくる。夕方のウォーキングという感じのオジサンだけど、なんと、朝のタクシーの運転手だった。あと3ブロックだよ、ホテルの方向を教えてもらって俄然元気が出た。そのうちに、昨日歩いた道に出て、そこのカフェでオレンジジュースで休憩。ホテルに着いたら7時過ぎだった。

30kmは歩いたように思うけど、かなり無駄に歩いた一日だった。大トカゲや、この谷の絶景に、十分Bush walkを堪能した一日でした。夜は近所のタイレストランのシーフードスープとホワイトカレーで栄養補給。明日に備えてビールは控えておく。

だけど、寝る前にベッドの上で本を読んでいたら、Mount Solitaryでぶつけて切った膝頭から血が出ていてシーツが血だらけになっていて、慌ててシーツを洗った。トホホな夜だった。