2025年5月 上高地・蝶が岳 旅の記録 :2日目(横尾→蝶ヶ岳→徳澤→横尾)  前のページに戻る次のページ 目次pageへ

◇起床、朝食
5時に起きて朝食の準備をする。外は快晴。よく眠れなかったはずなのに、なぜか元気になっていた。
山菜おこわを食べて、その後、ゆっくりビスケットとコーヒー。屋外はかなり寒くて、ダウンジャケットを着て食事。
周りのテントをチラ見すると、テントから上半身だけだして、火をつけて食事している人も多い。器用だ。
紅茶のティーパックが見つからず、水筒ボトルにはお湯を詰める。

◇横尾→蝶ヶ岳
出発、6時20分。リュックはナイロン製のアタックザックで、荷物の重量は2キロも無いだろう。
他の登山客に申し訳ないくらいで、ほとんど空身(からみ)だ。
横尾山荘を過ぎると、すぐに登り道に入る。雪はあるけど、そんなに苦にならない。
先行する人が何人かいた。その中の一人は、私より年配だけど、横尾・蝶ヶ岳をピストンするらしい。
やはり、似たようなことを考える人はいるんだ、と大いに元気づけられた。
その人に、槍見台の存在を教えてもらい、一緒にアイゼンを着けた。
そのうちに、先行する人がいなくなって、そこからは、雪原の山歩きというよりは、
目印を見つけて歩く、オリエンテーリングのようだった。
でも、雪原をアイゼンで歩くのは、それなりに楽だし、これもまた楽し、である。
時々小休止をしながら歩くけれど、高山病のような頭痛はない。
天気が良いし、登るにつれて、きれいに見えてくる槍ヶ岳を眺めるのが楽しい。
そうしているうちに稜線にでた。この稜線の直下の西斜面はふかふかの雪原だった。


(左:朝7時頃の槍ヶ岳、中:朝8時頃の槍ヶ岳、右:10時頃、稜線のすぐ下からの槍ヶ岳)

稜線は殆ど雪がなく、アイゼンを外す。けっこう、人が歩いている。
そして、蝶ヶ岳の頂上に着いた。10時50分。横尾から4時間半、楽しい時間だった。軽いリュックで正解だった。
東側を見ると、松本方面の雲海が晴れようとしているところだ。
(下の左:頂上、下の中・右:松本方面の眺め)


そして、西側は、光り輝く、槍・穂高連峰だ、素晴らしい眺めだ。


頂上では、ぼおっと景色を眺めながら、ビスケットを食べて、ドイツパンをかじる。至福の時だ。
徳澤は、どっちだろうと眺めていると、斜面から人が出てきて、ああ、あっちの方向か。
話を聞くと、徳澤を出ると、100mも登らないうちにアイゼンが必要になったとのこと。横尾と同じだ。
徳澤への下りは、ゆっくり歩く。
徳澤に着いたのは3時ちょっと前。徳澤から登ってくる登山者は多くて、雪道は殆どシャーベットのようだ。
私の安物の中国製のアイゼンは紐の先がほどけてしまった。けれど、とりあえずは、無事に機能して良かった。
(下の左が私のアイゼン、右は、徳澤のテント場の平和な風景)


上の写真では、うまく表現できていないけれど、徳澤のテント場は、とても平和なpeacefulな場所だ。
去年、バスターミナルから、川沿いに延々と歩いて来て、ここのテント場で、色とりどりのテントを眺めて、なんて素敵なところなんだと感心した。
この日も、同じ多幸感にあふれた場所を実感できた。
そして、4時ちょっと前に横尾に着いた。9時間半の充実したワンデイ・ウォーキングだった。

山荘の受付で本日分の支払いをして、缶ビール(500円)を買って祝杯を上げる。うまい。
夕食は、コーンポタージュスープとドイツパンで軽く済まして寝る。
この日は、夜8時過ぎから雨が降り出し、強風でテントが揺らされて、なかなか騒々しい夜だった。
でも、前日のように寒くは感じずに、よく眠れた。


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